フランス近代ピアノ曲集  ジャン・ドワイヤン=ピアノ(2015.12.30)


LPディスクを時々聴いている。
アナログの音はやはり耳に心地よく、自然な感じがするということと、今までに購入したディスクが700枚くらいあって、それをもう一度聴き直してみようかと思っているからである。
このディスクは20代のころ買ったものだと思うが、フランス音楽というとドビュッシー、ラヴェル、フォーレくらいしか知らなかった私にとっては新しい感覚の作品ばかりであった。

ダンディの「フランス風ロンドの古謡によるピアノのための幻想曲」、ヴィエルヌ「6つの前奏曲」、ロジェ=デュカス「リズム」、ピエルネ「パッサカリア」、アーン「3つの練習曲」、ポール・デュカス「ラモーの主題による変奏曲、間奏曲,終曲」というプログラム。最後におかれたデュカスの作品が最も充実した名作と思われるが、私が気に入ったのはヴィエルヌ、ロジェ=デュカス、ピエルネの作品である。アーンの「三つの練習曲」も面白い。

こういう作品を聴いていると、やはりパレットにいろいろな絵の具を使える作曲家は素晴らしいと思ってしまう。ロジェ=デュカスの「リズム」など、そのシンプルな曲名からは想像もできなかったような華麗な音の世界が繰り広げられ、5分半の楽曲ながらまことに充実した世界だ。ピエルネの「パッサカリア」も実に美しい。

今後、もうすこしフランスの19世紀後期あたりの作品を知る努力をしたい、と思ったひとときであった。

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