フランスの花々 〜花岡千春  タイユフェールを弾く (2017.8.23)


タイユフェールの作品を知ったのは「フレッシュ・プログラム」あるいは「カイエ・ドゥ・ルモワンヌ」という曲集で知った「フランスの花々」からの数曲であった。

子供向けの平易な技巧でありながら、なかなか情緒のある音楽を書く人だと思っていたが、その後「フランス6人組」に興味を持ち、2台、連弾用の6人組ピアノ曲集のCD(演奏:Corre & Exerjean)で「初めてのお手柄」「おどけた組曲」を聴き、俄然興味が湧いてきたことを思い出す。さらに、いろいろ楽譜を収集し、「即興曲」「ロマンス」「ラルゲット」などをリサイタルのアンコールで演奏したこともあった。2台作品では「野外の遊び」を2014年5月に演奏した。

CDではクリスティーナ・アリアーニョによるものを聴いたほか、「グラン・デュオ(高澤ひろみ/椎野伸一両氏によるアンサンブル)」でタイユフェールの曲を何度か聞いたことを思い出す。今回、花岡氏の録音を遅ればせながら聴き、このような立派な研究・演奏をされている人がいたことに心からの敬意を表したいと思った。

この1枚でタイユフェールピアノ曲のほとんどを聴くことができるのがまず素晴らしいことだし、演奏がどれも美しく、感動的なものである。とくに、タイトルにもある「フランスの花々」、そして「森でひとりぼっち」「余り速くなく」など、こんな洒落た世界があったのかと思うくらいの感銘を与えられた演奏で、フランス音楽についてあまり知らなかったことを反省した。

2017年8月現在、サン=サーンス、シャブリエ、ビゼー、ドビュッシー(初期)のピアノ曲を勉強しているところ。もっといろいろな作品を知りたいものである。





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